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執筆者の写真SantilloFrancesco

(14)日本のカーデザインの現場1

「辛口かもしれないけどね。」前置きしてフランコさんは言う。

「アルファ、アウディ、BMW、ポルシェときけばすぐに

イメージが浮かぶけど、トヨタ、日産、ホンダと聞いて形が浮かぶ?」


「日本のメーカー内にいて感じたこと。ひとつは、先に完璧な

図面を引かなければ、前に進めないこと。これくらいの容量で

これくらいの予算で。初めから結果がわかっていることをすること

くらい、退屈なことはない。

しっかりとしたアイデンティティがあれば、過程の中での変更も

可能なのに。デザイナーが信頼されていない証。


アイデンティティ。機能性能のいいところが日本車のアイデンティティ。

裏を返せば、製品がすべて。日本のクルマは高品質なのに安い。

高品質なのだから、デザインという付加価値をつけて高く売らなければ、

いつまでたってもブランドは確立しない。

デザインも機能の1つだと気づいて欲しい。デザイン力が弱いと、

製品のイメージ力も弱い。」


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